ピーク時の判断基準。

キッチンの環境は店によりけりで、お客様の顔が見えるオープンキッチン、客席にキッチン内の物音さえ聞こえないような、隔離させたキッチンもある。そんなキッチンでは毎日、何十、何百という料理を作り、お客様に届けている。ピーク時には、ひと時の遅れも許されない、張り詰めた空気が漂う。それぞれのお客様のテーブルの上の状況をイメージしつつ、店全体の動きをイメージしつつ、調理スタッフは料理を仕上げる。状況判断は経験値により、精度が磨かれる。料理長、責任者の指示ものとスタッフは自分のポジョンをこなしてゆくのだ。

 

一瞬の遅れも許されない中、どうしてもこのような状況になってしまう事がある。"肉を火入れし過ぎてしまった。""食材を焦がしてしまった。"などのミス。ココで2つの判断をしなければならない、そのまま商品を提供するか、作り直すかだ。作り直した場合、他のポジションを含めたキッチン内の流れが途絶え、その後の料理提供が遅くなる。もちろん、そのまま提供すれば"美味しい"と思ってくれる確率は減る。

 

ここで立ち止まり、なんのために料理と作っているかを考える。もちろんお客様のためである。そんな分かりきったことだが、ピーク時には、早くこのオーダーをこなしたいと苦しみから逃れる事を優先にしがちだ。そんな忙しい時、甘えが許させない時、この料理を"家族""友だち""大好きな人達""同僚"が食べたら喜んでくれるだろうか、そう問いかけるようにしている。他人ではなく、身内に向けて作ると更に集中し、良いものを出そうと高い基準で判断できると思う。

 

ピーク時にはミスがつきもの。ミスを犯しても、最愛の人達に向けて判断ができれば、どんな状況でも、最良の判断ができると思っている。